タイムマネジメントを身につけてストレスのない毎日を。
前回は、タイムマネジメントをすることで仕事をしながらも日々を余裕もって過こせている事例の紹介がありました。また、自分の生活を見直すことのできるワークを教えていただきました。
今回は、ワークライフバランスについて考えてみます。
【お話を伺った人】
中元寺ゆかりさん(国家資格キャリアコンサルタント/ワークライフバランスコンサルタント/タイムマネジメントコンサルタント)
【聞き手】
田村史子(フリーライター/本サイト コラム担当)
3.ワークライフバランスを意識してみよう
田村
前回、タイムマネジメントを活用することで日々に余裕を生み出している方の実例を教えていただきました。その中で、タイムマネジメントをすることが結果的にワークライフバランスにつながるという話がありました。ワークライフバランス(WLB)、最近よく耳にする言葉ですが、具体的にはどのようなものなのですか?
中元寺
ワークライフバランスとは、やりがいや充実感を持って働くオンタイムと、子育てや介護などの状況があっても健やかに暮らせるオフタイムとが、バランスよく両立できることを言います。ビジネスシーンでよく使われますが、家庭においても当てはまる考え方です。
子育て中でも仕事と家庭とのバランスを無理なく取ることが望まれます。しかし、時間には限りがあります。仕事も家庭も充実させるためには、いかに時間を有効的に使えるかが不可欠です。つまり、タイムマネジメントすることで、Myワークライフバランスの実現につながるのです。

田村
中元寺さんご自身は、以前は長く会社勤務をされていらっしゃいます。お子さんが幼いころなど、どのように過こしてこられたのですか?
中元寺
結婚、出産を挟んで、同じ会社で働き続けました。今と違って育休や時短はなかったので、子どもが幼いうちは大変なこともありました。でも、周囲の人には余裕があるように見えていたようで、よく‘
「どうやって時間を組んでいるの?」と聞かれていました。忙しいからこそ、時間の使い方を工夫していたんです。たとえば、子どもの受診がありますね。小児科って順番待ちで時間が想定以上にかかったりします。だから、そのあとには急ぎの予定を入れないようにしていました。また、子どもが大きくなったら学校の三者面談がありますね。そのとき希望日時の調査があるのですが、私はいつも指定時間のうち一番目を希望しました。二番目以降は前の方の相談が長引いたりして時間がずれ込むことが多いですが、一番目は絶対です。そういった心がけの積み重ねで無駄のない過こし方をして、結果、自分の時間を生み出していたのかもしれません。毎日のストレスが減るから、余裕があるように見えていたんだと思います…本当は必死でしたけど(笑)。
田村
仕事では、どのようなタイムマネジメントをされていましたか?
中元寺
細かい話になりますが、取引先などに「今日中にお返事ください」とメールで伝えるとします。私はその場合、「今日中」ではなく「4時までに」と伝えます。すると、遅くても4時過ぎには返事をもらえるから、5時には帰ることができる。そういった小さな心がけひとつで相手の方もそれなりの準備をされ、自分も効率的に動くことができるんです。そして残業をせずに済みます。働き方改革につながりますね。
それは、家庭でも同じことが言えます。特にフルタイムで働く人は、家族の協力なくして毎日を笑顔で過こせません。家事もチームで行う。洗濯物をたたむ、お茶碗を洗うなどの仕事は子どもにもしてもらう。「今日は週末だし、8時までには終わらせてお茶しながら映画を見ようよ」などと目標を立てて楽しく取り組みます。そういったことが自然にできるようになったら、毎日が楽しくなりますよ。
田村
今は就業前で実感を持てなくても、頭の片隅に覚えておいておくと、いつかきっと役立ちますね!
中元寺
皆さんの中には、知らず知らずのうちにタイムマネジメントの考え方が身についている方もいらっしゃると思いますが、あらためて意識してみることで、その精度が高まることと思います。
子育てが忙しいからと仕事をあきらめるのではなく、今できることから挑戦してほしいですね。子どもは成長に伴い進化します。ママやパパもそれに負けじと進化してほしいです。そして、子育ての時期は人生の中でいちばん張りのある時期でもあります。いちばん輝いている時期だと思うんです。だからこそ、子育ての今をネガティブに捉えるのではなく、楽しく過こしてほしい。そのためにタイムマネジメントを活用して、結果、ワークライフバランスを実現してもらいたいですね。
【公開中の中元寺さんセミナー】
◆タイムマネジメント(コラム)
Ⅳ「ワークライフバランスを意識してみよう」