今回のインタビューは、株式会社佐賀電算センターでインストラクターのお仕事をされている
姫野聖子(しょうこ)さんです。
2歳児のママ、9時から16時の時短勤務中、通勤往復2時間、
正社員生活という日常を送られています。
「私は高校卒業後、今の会社でずっと働いてきました。
でも実は、入社したときはインストラクターじゃなかったんですよね・・・(^^)」
軽やかに、にこやかにおっしゃる姫野さん。
今回の「働く×育てる×○○」イキイキママのインタビューも楽しくなりそうです。
では、往復2時間の通勤とインストラクターの仕事、その原動力は何か…ちょっとお話を聞いてみましょう。
■キーパンチャーから一転、インストラクターへの道
私は、佐賀市で生まれ育ちました。
高校在学中に簿記、経理、パソコンなどの授業を通して
「経理って面白い!パソコンって楽しい!私、好きかも!」と思い、
”キーパンチャー”という仕事を見つけました。
(“キーパンチャー”とは、1日中、パソコンのキーボードで
ひたすら文字や伝票の数字などを打ち込むお仕事です。)
株式会社佐賀電算センターに”キーパンチャー”として入社。
高校を卒業して以来ずっと、今の会社で働いています。
その後、会社からの異動の話があり、キーパンチャーから、人に教えるインストラクターのお仕事へ。
最初は、私が誰かに何かを教えるなんてできるのかな…と思いました。
データ入力をするのとは真逆の仕事。人前に立つなんて私にできるのだろうか、と。
色々考える中で、「でも、何事もやってみないとわからない」という気持ちになって、
新しい仕事にチャレンジすることにしました。
それから現在まで、インストラクター歴13年です。
私は、簿記の授業が好きだったけれど、
「自分が好きなことを仕事にすること」、「それを人に教えること」では意味が違います。
当時、インストラクターの仕事をするために、色々と勉強もしました。
例えば、「パソコンの知識」、「人前での話し方」、「講師としての立ち居振る舞い」など。
先輩の授業を見て学び、時には先輩を前にして授業をすることもありました。
生徒さんを前にするより緊張しました。
先輩に授業の進め方を見てもらったり、色々なアドバイスをもらうと、とても勉強になりました。
生徒さんや、お客様からのアンケートを見て「私、向いてないのかな…」と思う事もありましたが、
その一方で、褒められたり、わかりやすかったというような、嬉しいメッセージや評価を頂けたりもしました。
実際に一人で授業ができるようになってきて、はじめて、
「よし、いける。インストラクターとしてやっていける」と実感が持てるようになりました。

■ワーキングママになって、独身時代と変わったことはなにかありますか?
お母さんになって感じたことは「世のお母さんって、すごいなぁ」ということ。
自分はこれがやりたい!と思う事があっても、ままならない。
子どもが保育園に行きだしてからは、子どもをせかすことも多くなりました。いつも追われている感じ。
忍耐強くは…なったかな。
独身の時は「残業できます。大丈夫です!」という感じで働いていたのですが、
今は時短勤務中で16時までの勤務。やっぱり残業は難しい。
だから「時間内でやれるようにする。時間内でやらないといけない。」という意識で仕事をしています。
例えば、一つ一つの作業に期限を設けて、Limitの意識をもって取り組んだり、
子どもの体調不良などで急に休まなければならないこともあるので、余裕をもって前倒しで取り組んだり。
自分が休んでも仕事に穴があかないようにという意識でしたが、誰でもできるという考えは、責任感に欠けているのではと悩んだこともありました。
でも、やっぱり子供を持つと、急に休みを取らないといけないことも多く、次第に割り切れるようになりました。
だからこそ、同僚に迷惑がかからないようにするため、自分ができること(準備)をしようと思い、取り組んでいます。
私が働く会社は、子どもが3歳の誕生日を迎えるまでが時短勤務なんです。
「うちの子も今年で3歳。時短が終わってから、どうしようかな…」という思いも抱えています。
私、通勤時間に一時間かかるんですね。
子どもは自宅近くの保育園に通っています。
時短勤務期間が終わると、終業時間は18時に戻ります。
それから帰っていると子どものお迎えに間に合わない。
夫も通勤に1時間かかるので、仕事を続けていくにあたり今後の働き方について
会社に相談したり、夫婦で考えていこうと思っています。
■職歴1社、転職を考えたことはなかった?
転職を考えるという事はなかったと思います。
ただ、会社の中で大幅に仕事が変わるという、転職に近い経験はしてきました。
今思うと、今の会社だから、ずっと働いてこられたんだと思います。
ワーキングママの先輩もいらっしゃるし。
自宅から会社まで遠いから…という理由で仕事を辞めるのはもったいない。
これからもずっと、働き続けたいと思っています。
それと、産休育休中に感じたことがあって。
子どもは10月生まれ、これから寒くなっていく・・・という時期だったので、家にいることが多かったんです。
実家は佐賀。友達も佐賀にいる。毎日お休みなんだけれど、人に会う機会もなくて、社会から取り残されたような気持になりました。
社会と自分がつながっていると思える、実感できるってとっても大事なんだな、と感じました。
■聖子さんの一日を教えて!


■パパとの時間は「家事シェア+ドラマタイム」
うちは、夫とたくさん家事シェアをしています。
でも、担当制ではありません。
誰が何をやるというのは決めてませんが、それぞれがお互いに協力し合っています。
私はもともと家事をやるタイプではなかったんです。
最初の頃、私が一方的にイライラしていて、
そんな姿を夫が見て一緒にやってくれるようになりました。
空気が悪くなるのが嫌だったんでしょうね。
私は休憩してからやりたいのに、夫はササっと色々終えてからゆっくりしたいタイプ。
夫から 「はい、やろう」って言われたら、「(今はちょっとダラーっと休憩していたいんだけれどなぁ…と思いながらも )はいっ」と言ってます。
家事が終わってからは、
オンタイムで見られない、録画して溜めたドラマなんかを一緒に見たりして寛いでいます♪

◆インタビューを終えて…「働く×育てる×自然体+前向き価値観」
インタビュー中に、何度も、姫野さんのかっこいい姿を拝見しました。
力強い発言から覚悟をお持ちの方なんだなぁ…と感じながら話をお聞きました。
でも、お話をされる姫野さんはとってもにこやかで、穏やか。そのギャップ(?)のようなものが印象的でした。
人は価値観を言葉にして表現しますが、
姫野さんは価値観の根にしっかりとしたものを持ちながらも、佇まいは穏やか。とっても自然体。
かっこいい、でもしなやかで素敵。
また、育休が自分の価値観に気づく、ひとつのターニングポイントだったとのこと。
じっくり考える時間も大事。そして姫野さんは気づいたんですね。
自分にとって仕事とはどう言う意味を持つのか、
仕事は社会と繋がる手段、自分はそれを大切にしたい。
自分の価値観に気づいた人って、強くなれるんですよね。
大切にしたい事を大切にするためには何をすればいいかがみえてくる。
自然と優先順位もついてくる。
自分の価値観に気づくことは、自分らしいキャリアを切り開いていくための大切な源。
さて、皆さん、
あなたの価値観って?
私も改めて自分に尋ねてみることにします。(福成)
【公開中の福成有美さんコラム】
◆働く×育てる×●●について(コラム)
(1)「働く×育てる×楽しむ」を実践しているイキイキママのインタビュー
(2)「働く×育てる×自然体+前向き価値観」を実践しているイキイキママのインタビュー
(3)「働く×育てる×好奇心∞(無限大)」を実践しているイキイキママのインタビュー